『素人ヤンキー♂危機一発!!』Take1:出会って○秒ロックオン!?

あらすじ

 チャラめAV男優 × ヤンキー高校生 

俺なしじゃダメな身体になっちゃったでしょ?

喧嘩中の竜二の危機を救ったのは、チャラくて胡散臭そうな男!
しかも助けてもらった礼として要求されたのは、まさかのAV出演で!?
この男、何者!?

↑ 無料サンプルあります ↑

レビュー

待ってましたヤンキー受け!!

ヤンキー受けは多々あれど、以前ご紹介した「睨めば恋」同様、
年下わんこ系の攻めが多いと思うのは気のせいでしょうか?
慕ってくる年下わんこに絆されいつの間にかバックを取られ……!?
抵抗しようにも、可愛い顔で犬の耳が垂れたようにしゅんとされたら
しょうがねぇなと受け入れてしまうヤンキーの懐の広さ(チョロいとも言う)。
好きな相手以外だったら返り討ちにしてしまいそうなところ、確かに可愛いです。

しかし、年上お兄さん攻めも年下わんこ攻めに負けず劣らず素晴らしい。
喧嘩ばかりしているトンガリヤンキーが、酸いも甘いも経験してきた
お兄さんのテクニックでトロトロに懐柔されちゃうのはどうでしょう……!
見ず知らずの年上に対して威勢よく噛み付いてくるのも、
心を許してる年上に対してされるがままになっちゃうのも!
相手はへらへらと近づく構いたがりのチャラ男兄ちゃんでも、
「喧嘩はだめだよ」と、たしなめつつ手当てしてくれる優しいお兄さんでも、
盲目的に尊敬している元ヤン先輩兄貴でも、
ヤンキーが心配になるくらいのヘタレお兄さんでも!

おすすめのお兄さんとヤンキーがいらっしゃいましたら是非ご連絡ください……!飢

前振りが長くなりましたが、
今回オススメするのはチャラめのお兄さん攻めです。

受け・竜二は喧嘩中、危ないところを攻め・織田の投げたペットボトルに助けられ、
借りを返そうとAVに出演することに。

非常にシンプルなエロ漫画ですが、とても楽しめました。
織田のテクニックに翻弄される竜二がエロいです。
そして経験豊富な織田がセクシー!
始めは余裕の表情なのですが、
竜二のエロさにあてられ年甲斐もなくガっついてくるのも萌え……♡
結局竜二は織田に抱かれてめちゃくちゃ気持ちよくなってしまい、
恥ずかしいやら自分が許せないやら!
キレ散らかして現場から逃走していくのも可愛かったです。

ストーリー ★★★☆☆
作画 ★★★★☆
ピュア度 ★★☆☆☆
エロ度 ★★★★☆
満足度 ★★★★☆
萌え ★★★★★




キャラクター

有川竜二(受け)

ヤンキー高校生。
目つきが悪いツーブロック。ガタイもそこそこいい。
織田にリカちゃんというアダ名をつけられる。

織田海斗(攻め)

AV男優(ゲイビ専門)。
ナンパなチャラ男。甘い顔立ちをしている。年齢不詳。

エロシーン

エロシーンはそこそこ長いですがどちらかと言えば表情重視で、
性器の描写も白抜きです(汁成分は多め)。
しかし竜二の、序盤の凶暴な表情えっちな表情ギャップが非常に興奮します。
さらに喘ぎ声は濁点系! どろっどろです。
AV撮影(挿入なし)が終わってホッとしつつ、
与えられた快感の余韻がくすぶってる時の表情がお気に入り。
織田が別室に連れ込んで個人的にハメちゃうのも仕方がない。

続編

電子書籍で、1話(40ページ完結)のみの配信中。
明日の11/1に続編が配信されるみたいです。
楽しみ!

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL漫画感想へ
にほんブログ村

ポチっと押して頂ければ嬉しいです。

『宇田川町で待っててよ。』純粋かつ扇情的な、女装男子との恋

あらすじ

 不愛想系高校生 × 女装男子 

どうやらあいつは女の服を着ていると俺に抵抗できない

人通りの多い街中で、同級生・八代の女装姿を目撃してしまった百瀬は、
その日から毎日、「あのこ」のことを考えてしまう。
一方、そんな百瀬の様子に戸惑いつつも、熱のこもった目線をそらせない八代は
渡された女子高の制服に袖を通し、彼の前に立つが――。
臆病な女装男子と、一途すぎる男子高校生の不器用で青いラブストーリー!

レビュー

読了済の本だったのですが、改めて手に取ったらやっぱり素敵だったので取り上げてみました。
ここ数年の最新BL漫画において名作トップ10に入るんじゃないかと思っていた作品なのですが、
初版が2012年だということに驚きを隠せません。4年前……。
ちなみに映画化もされています。
映画『宇田川町で待っててよ。』予告編

さまざまなBLを読破してきたBL上級者の方はもちろん、
激しいのはまだちょっと……なBL初心者の方も楽しめる作品ではないかと思います。
私がBLをまだよく知らない方にBL作品をおすすめするなら絶対これにします。
読んでるこっちが恥ずかしくなっちゃうくらいピュアッピュア純愛です……!
もっと大切にしたいのに上手くいかない、たくさん可愛がりたいのに伝わらない。
そんな不器用な男子高校生の初々しさったら!

女装男子と言っても、受け・八代(女装している方)は同性愛者ではありません。
過去に彼女とノリでやった女装がクセになってしまって、街へ繰り出すようになりました。
ただ何をするわけでもなく、化粧をしてウィッグをつけて女物の服を着て街へ出るだけ。
そして街で偶然女装したクラスメイトの八代を見かけて、
それから八代のことが気になって気になって仕方がない攻め・百瀬の恋物語。

ストーリー ★★★★★
作画 ★★★★☆
ピュア度 ★★★★★
エロ度 ★★☆☆☆
満足度 ★★★★☆
おすすめ度 ★★★★★



キャラクター

百瀬(攻め)

クラスでも地味で、いつも音楽を聴いているか寝ている。ガタイが大きい。
ぬぼーっとしていて根暗そうだが友達はちゃんといる。

八代(受け)

派手なグループに属しているがそこそこ勉強も出来て世渡りが上手そう。
地味だが整った顔立ちをしている。半年前ほどから女装に目覚めた。

萌えポイント

百瀬は童貞

好きな子に対しての距離の詰め方が分かってない。

百瀬が八代に対して「可愛い」「好き」と思う感情を隠さず一直線で押せ押せ

もっと色んな服を着て見せて欲しいと言う。
男だということは問題ではないほどに八代に惚れている。
女装した八代を女の子扱いするわけでもなく、女の子だと思いたいわけでもなく、
きちんと男だと認識しているところがよかった。

逆に八代は引き気味、怖がっている

可愛いと言ってもらえて本当は嬉しい。好きと言われたら逃げ腰。

女装はしても自分は同性愛者じゃないという線引きを頑なに守ろうとする八代

女の子と遊ぶ。好きでもない女の子を抱く。
男に惹かれている自分を認めたくない気持ちと、怯えがある。
その分、百瀬の思いを受け入れ、自分の気持ちを認めた時の幸福感が半端なかった……。

自分の好きなこと(女装)を認めて、
純粋に似合うと言ってくれて、尊重してくれる百瀬が優しい

女装をやめようとする(本当はやめたくない) 八代に、
「俺は好きだから俺のために着てよ」
と言うところが、純粋に八代が着飾っている姿が好きだと伝わってきてキュン……。

女性物の可愛い服にペタンコの胸、
しっかりした首筋や肩幅がアンバランスで倒錯的

ゴツくはないが、普通にしていると女には見えない八代は、
首元がはっきりしない服を選んでいるみたい。

萌えシーン

百瀬には姉(容姿は可愛いが、家ではガサツでだらしがない )がいて、
百瀬と八代が街で会っている時に遭遇してしまいます。
その時、八代は女装(百瀬が姉の洋服を勝手に着せた) をしていて、
女装に気づいた姉が発した「キモ」という言葉にキレた百瀬が

「バカ言ってんなブス!!
てめーの百億倍かわいいわ!!」

と、怒鳴り返すところに!!キュン!!
セリフのチョイスが子どもっぽいところもかわいい。
姉の言葉に傷ついた八代も嬉しいと思っちゃってます……。かわいい。

エロ度

描写もページ数も少ないですが、女性の容姿にミスマッチな男性器(描写薄)がセクシーです。
描き下ろしでは女装していない八代との何度目かのえっち。
自分を気遣う百瀬が余裕に見えて、八代が「童貞だったくせに…っ」と、思うところと、
途中から余裕がなくなる百瀬の必死のガッつきが可愛い!

満足度

男同士というBLの原点に戻れた気がしました。
やっぱり男が男を好きになってしまう葛藤というのは切なくてたまらない。
物語もテンプレというわけでもなく、フェチや萌え要素も詰まっていて満足です。
不器用で可愛い男子高校生の純愛にキュンキュンしたい方はぜひ!

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL漫画感想へ
にほんブログ村

ポチっと押して頂ければ嬉しいです。

『僕のハイスペック彼氏様』王道をブチ壊すハイテンション・コメディ!

あらすじ

 かわいい系サラリーマン(Ω)× ハイスペック社長(α)

スーツを剝ぎ取って逞しい肉体にむしゃぶりつきたい!

――平凡なサラリーマン・横道が抱きたい相手は、“一流の男”。
しかし人並みな自分に抱かれてくれるハイグレードな男はなかなかいない。
眉目秀麗、頭脳明晰、家柄の良い高スペックの男性を喘がせたい!
しかし普通の代名詞のような自分に抱かれてくれるハイグレードな男はなかなかいなかった。
悶々とした想いを抱えたある日、横道は暴れ牛に襲われる。
危機一髪で、彼を救ってくれた男こそが運命の相手だった。

“ 紫の牛の人”…烏丸厚。

絶大な地位と権力を持ちあわせ、世間からズレた思考を持つ若き社長・烏丸。
彼に一目惚れした横道は、今度こそ恋を成就させようと奮闘するが……!?

レビュー

スパダリ受け、いいですよね。
気持ちのいいほどギャグ漫画で笑いながら読みました。笑
ひたすらテンション高いです。

更にオメガバース。設定モリモリです。
Ωでありながらバリタチのサラリーマン・横道は、
恋人といい感じの雰囲気になるも、自分がバリタチということが分かるといつも振られてばかり。
いつものように友人の田中(β)に愚痴を聞いてもらっていたら、 突然闘牛に襲われてしまう。
危機一髪、華麗に助けてくれるのが、横道が務める会社の社長でαの烏丸さん。
何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった……。(突然のポル)
そんな感じです。常にボケとツッコミの応酬。
カップリングが逆なら王道一直線なんですが、
マリクと呼ばれる、アラブ人にさらわれた横道を助けに来たり、
初夜にお姫様だっこをしたり、大体攻めがやることを受けがやります。

ちなみに帯に「スーパー攻め様が受ける!!」と書いてありましたが、
ハーレクインや水上〇イ作品に出てきそうなエレガントな攻め様です(受けですが)。
家柄ルックス問題なし。高収入・高学歴・高身長。
アメッ〇スセン〇ュリオンカード出しちゃうし、リードしてくれるし、
ワインなんか飲んで風呂上がりを待っててくれるし、危険な時は助けてくれるんですが、
スーパー攻め様特有の力強さや強引さはなく、世間知らずで天然で可愛い部分があるので、
THE・スーパー攻め様!!な受けを求めている方はちょっと拍子抜けかも。
ハイスペックには間違いないですが、スーパー攻め様かと言われたら個人的にうーん?でした。
物足りなさを感じたので、もう少しオラオラした強引さを出してくれたら嬉しかったかも。
しかしスーパー攻め様の定義なんて人それぞれなので、是非見極めて欲しいと思います。

ストーリー ★★★☆☆
エロ度 ★★★★☆
作画 ★★★☆☆
ギャグ ★★★★☆
意外性 ★★★★☆

オメガバース

オメガバースとは、Ω、α、βで構成される、欧米で発祥したBLにおける特殊設定。

Ω(オメガ)

数はα性よりも少なく、しばしば絶滅危惧種として扱われることもある。
定期的に発情期が起きる。
発情期ならば男女問わず妊娠が可能。

α(アルファ)

生まれつきのエリート・ボス気質。
カリスマ性やリーダースキルを持ち、社会的地位が高い者に多く、全てにおいて優遇される。
数は少ない。

β(ベータ)

ごく普通の人間。
人口比率的にも最も多く、β同士で結婚するのが一般的。

*********

なお、詳しいオバガバースについての説明は巻頭4ページでもガッツリ使って解説してくれています。
ある程度の大体の知識がある方は読まなくてもストーリーに支障はありません。
ふわっと分かっていたら大丈夫です。
オメガバースについて知らない人は、今後のために知識のひとつとして読んでみたら楽しいかも。
ちなみに私はヒート時の射精の際に性器の根元が膨らむ仕組みを初めて知りました。

主要人物

横道勇(攻め)「僕はバリタチだ! お清めセックスは僕がする!」

ごくごく平凡なサラリーマンのΩ。
かわいい顔に反してバリタチ。
恋人といい感じになるもバリタチということが分かると振られてばかり。

烏丸厚(受け)「俺が本当のセックスを味わわせてやる」

横道が務める会社の社長のα。
海外生活が長く日本のことをよく知らない。
ハイスペック三高。

田中一郎(攻め)「出世のためなら友情などクソだ」

横道の幼馴染で同僚のβ。
金のためならなんでもする守銭奴。

マリク(受け)「はたして貴様がキズモノになっても変わらずに接してもらえるか」

アラブの石油王のα。
烏丸の幼馴染でツンデレ。
烏丸の恋人である横道を拉致する。

番外編

 守銭奴サラリーマン(β)× アラブの石油王(α)

田中強い! 田中は一度横道と烏丸の邪魔をしてくるマリクに買収されますが、
逆に横道と烏丸が買収し返すとマリクをキスとビンタで腰砕けにしてお持ち帰り。
田中に調教されたマリクは田中を第一夫人に迎えようとしますが、
田中はお金自体ではなく稼ぐ過程が好きなのだと突っぱねます。
今後どうなるか、二人のスピンオフに期待。

最後に

各所で言われてるみたいですが、確かにオメガバースである必要性はなかった。笑
二人が今後結婚するなら家柄とか跡取り問題からの、
玉の輿に乗った横道が嫁の立場で嫁姑問題に立ち向かうギャグとか読んでみたい。

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL漫画感想へ
にほんブログ村

ポチっと押して頂ければ嬉しいです。

『ネガ』ダウナー系抉り愛を詰め込んだネガティブ

あらすじ

 オムニバス 

ふたりとも、傷つけて ひとりで、手に入れた

オレたち3人はいつも一緒にいた。
卒業式の日、オレがアイツの想いを拒否するまでは。
だけどアイツらはオレの知らないところで――。
幼馴染同士のヒリつく三角関係を描いた「後悔の海」「スイメンカ」をはじめ、
光る金属に目を奪われてはじまる「ピアスホール」、
ニューエイジな感覚で描かれる「リスタート」、
女子視点からのBLを描いた「わたしたちはバイプレーヤー」など
“ネガ”な作品を一冊に集約した、はらだ節がはじける短編集。

もしもあのときこうしていれば――?
切なさと、後悔と――。
「ネガ」の中で、あなたなりの幸せをみつけてみてください。

BL界を切り開くパイオニアはらだが描く明暗、
二冊同時刊行ネガティブもポジティブも、贅沢にどうぞ。

レビュー

はらださんの2冊刊行!2冊目『ネガ』です。
はらださんの作品の魅力は前回の『ポジ』参照。
『ポジ』と違って『ネガ』は後味悪め。
メリバとまではいきませんが、幸せと取るか不幸と取るかはあなた次第。
そんな作品ばかりです。
病み系かと思いきや救いようのないバッドはないので安心してください。
エロ度は前回同様高め。
しかし『ポジ』よりも『ネガ』の方が純愛だと思います。

作品としては締められていますが、二人がこれからどうなっていくのか、
最終的な結末を読者に委ねているのは面白いところ。
さまざまな愛のカタチを味わいたい方は『ネガ』をどうぞ!

ストーリー ★★★★☆
エロ度 ★★★★★
感情表現 ★★★★☆
後味の悪さ ★★★★☆
クセになる度 ★★★★★

『後悔の海』『スイメンカ』

 幼馴染の三角関係 

『後悔の海』

中学校卒業式前日に男友達から「ホモとかキモイよな」と聞かれ、
卒業式後に別の男友達から告白された。
「ホモとかキモイ」と酷い言葉で振り、そのまま二人と疎遠になり数年後。
「ホモとかキモイよな」と聞いてきた友達と、
自分に告白してきた男友達がキスしているところを目撃する。

思春期だぁ……。
中学生というのは一番多感で人の目を気にしてしまうお年頃。
自分に告白してきた人が自分以外の誰かと付き合ってると知り、
突然独占欲が湧き上がって好きだと自覚する、
そんなエゴイスティックな感情は人間臭くて好きです。
告白された方もした方も、男同士という後ろめたさを感じるのはBLの醍醐味。
ノンケが男からの告白をすんなり受け入れられないのも仕方ないと思ってしまいます。
むしろ切なくていい。
そして人のものになってはじめて形振り構ってられなくなる! 萌え!
しかし後悔先に立たず……。

『スイメンカ』

『後悔の海』の「ホモとかキモイよな」と言った側のお話。
名前表記がないので分かりやすくAとします。
卒業式にCに告白したB、Bに告白されたC。3人は仲良し。
Bのことがずっと好きだったAは、ある日Bに「Cのことが好きだ、卒業式に告白する」と告げられる。

なんでや!!!なんでやァ!!!
女やったら、まだ、我慢したんに、
なんでよりによって、あいつねん!!!
なんで、俺じゃなくて、あいつねん!!!
俺の方が先に、好きになったんに!!!

二人が付き合うなんて、耐えられない。
そう思ったAはCに「ホモとかキモイよな」という言葉を投げてBを振るように仕向ける。
振られたBを慰め、自分じゃだめかと泣いて訴え、二人は付き合うことに。
二人の初えっちが初々しくてエロ……。
AがBを好きで好きで必死な様子とBの初心さが可愛くてキュンとします。
やっと手に入れられたと、AはBを抱きしめながらも後ろめたさを感じて「ごめん」と囁くのでした。
そして二人は大学生になって『後悔の海』に繋がります。

「あん時はごめん。俺も好きや。」

CがBに告白しているところを目撃してしまうA。

なんでやろ、実らせたはずなんに
もう怯えんくていいはずなんに
ふたりとも傷つけて
ひとりで手に入れた
なんでやろ
どっか
どっか

「むなしいなあ…」

うわあああ……。
みんなが主人公のようなので、誰かが幸せになり誰かが不幸になる道が辛い。
はじめにずるいことをしたAですが、Bのことを本当に好きな気持ちが伝わるので自業自得と言って責めることができない。
しかしAがCをけしかけなければBとCは付き合っていたかもしれない。
BはCにまだ未練がありそうなのが切ない……。

『ピアスホール』

 マッサージ師 × サラリーマン 

施術をしていた患者のサラリーマンに不似合いなボディピアスを見つける。

「他の穴も、見たいですか?」

誘われるがままに全身の5つのピアスを見せてもらい、
純粋に美しいと感じた彼・臼井さんと身体の関係を持ち、恋人同士になった二人。
穏やかで幸せな日々を過ごし、このまま順調に関係が進むと思いきや、
5つの穴はそれぞれ昔の恋人に空けられたものだと聞いたことで、
彼の身体の穴を綺麗だと思えなくなり……。

ピアスってエロいですよね。
しかも普段は洋服で見えないところに空けているというのがまたそそります。(同じくタトゥーも)
痛みとともに、自分の身体を飾りをつけるというは倒錯的な行為のように感じます。
お尻に咥えながら攻めの舌に穴を空ける行為が一番興奮しました。

確かに人に穴を空けられたら、その穴がある限りその人のことを忘れられなくなるかも。
だから上書きするために拡張するというのはものすごい独占欲ですね。

臼井さんが淫靡で、始めは攻めを翻弄してるのですが、
最終的に臼井さんの方が攻めから離れられなくなっています。
しかし臼井さん自身が、攻めが自分に執着するように仕向けたようにも見えます。
どっちにしろ、とても幸せそう。

『リスタート』

 ダウナー × アッパー 

『私たちはバイプレイヤー』

 地味系いかつめ高校生 × 王子様系高校生 

一時期話題になった『女子BL』に掲載されていた作品。ギャグです。

『女子BL』とは、
男同士がイチャイチャしている現場が見たい!
むしろ壁になりたいベッドになりたい空気になりたい!
二人が幸せになるために助太刀したい!
愛を深めるための当て馬になりたい!
そんな腐女子の願望を叶えた、女子目線のアンソロジーです。

女子BL

女子BL

女子BL

[著]秀良子 : 志村貴子 : 西田東 : ふみふみこ : はらだ : 市川けい : 小鳩めばる : 糸井のぞ : ためこう : プルちょめ

はらださんのお話は、人格入れ替わりというありがちな設定。
しかしこんな使い古されたネタでもやはり面白い。
才色兼備の姫海さんは、隣の席の皇子山くんに恋している。
そんな中、クラスでも地味な男子脇川くんと人格が入れ替わってしまった!
脇川くん(身体は姫海さん)と一緒にいるところを皇子山くんに見られ、
誤解されたとショックを受けるが、
姫海さん(身体は脇川くん)は皇子山くんに睨まれたり、嫉妬むき出しの言葉を投げられる。
(どっちに嫉妬しているかはお察しの通りですが、ここで皇子山くんが姫海さん(身体は脇川くん)にキス顔を向けてくる(姫海さんは何がしたいのか分かっていない)のがとても可愛かった!笑)

「もしかして皇子山くん、私のこと好きなのかしら」

テンション上がっちゃう姫海さん。
ひょんなことから元の身体に戻るのですが、
その拍子に脇川君の素顔(普段は前髪で顔が見えない)を見てしまい、
ワイルドな容姿にときめいてしまう姫海さん。
そしてある日脇川くんと皇子山くんが離れた空き教室で言い争っているところを目撃。

「もしや私を取り合って喧嘩!?」

急いでその場に向かって止めに入ろうとドアを開けると……♡
好きになった二人が付き合ってました。

ホモに振られちゃう女の子を見て毎度思うことなのですが、

他にいい男見つけて幸せになって!!

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL漫画感想へ
にほんブログ村

ポチっと押して頂ければ嬉しいです。

『ポジ』アッパー系アホエロ満載のポジティブ

あらすじ

 オムニバス 

またケツの穴に太いのぶちこんで欲しくなっちゃった?

ハンパない舌テクで数多くの男女をイかせまくり、ついた通り名は「救世主(メシア)」。
他人にケツは貸さない主義だったけど、行き擦りの自称ED男に騙されてハメられた上に、
ケツの快感が忘れられず(!?)、更には諸悪の根源の男が再来……!?
メシアシリーズの他、見た目だけ若くて美しい老博士と彼にまったく従わないアホ助手がエロティックテクノロジー開発に全力を注ぐ「宇宙のもずく」や「変愛」シリーズなど、
アホエロぶっとばしの“ポジ”な世界観をとことん凝縮したはらだ待望の作品集!

こんなのあり?!――ありなんです。
ハイテンション! ハッピー!
まじキチ! を詰め込んだ一冊
日常の鬱を忘れられる、ニューエイジBL

BL界を切り開くパイオニアはらだが描く明暗、
二冊同時刊行ネガティブもポジティブも、贅沢にどうぞ。

レビュー

はらださんの2冊刊行! 先に『ポジ』を読みました。
はらださんの魅力は何と言っても話のテンポの良さと感情表現。
勢いが良く丁寧かつバリエーションが豊富で、
キャラクターの感情に飲み込まれてしまう魅力があります。

あとはやっぱり

エロス!!鬼畜!!言葉責め!!

汁気、快感に悶える受けの表情と鬼畜だけど結構必死な攻めの表情は眼福です。
攻めの言葉責めの多さは本当にすごいです。
しかも具体的。セリフの多さはページを埋め尽くすほど。
中毒性の高い興奮を得たい方にはおすすめの作家さんです。

今回はそんなはらださんのタイプをアッパー系の『ポジ』とダウナー系の『ネガ』で二極化。

収録作品は三作品でメシアシリーズ、変愛シリーズは過去作『変愛』からの続編です。
前作を読まなくても楽しめる内容になっていますが読了済みだともっと楽しめると思います。
宇宙のもずくシリーズは身体は美少年、頭脳はおじいちゃんの博士と鬼畜助手が繰り広げる足のすくい合いのお話。
とにかくぶっとんでるのでアホエロで頭カラッポにしたい方は『ポジ』をどうぞ!

ストーリー ★★★★☆
エロ度 ★★★★★
面白度 ★★★★★
ぶっ飛んだ設定度 ★★★★★
楽しく生きられそう度 ★★★★★




『メシアの凶日』『メシアの選択』

 モサ系タチ食い鬼畜 × タチ専テクニシャン 

【受け】救世主(メシア)
攻に処女を奪われた元タチ専テクニシャン。

【攻め】モサ男
ヘタレのインポを偽りメシアに近づいたタチ食い男。メシアの処女を奪った。

男女問わずインポや不感症に悩む人々をその舌技で快感を誘い救って来たメシア。
治療と称して高額な金額を対価として要求してきた彼は、
いつものように治療のためにフェラした男にまんまとハメられハメら(犯さ)れてしまった。
(『変愛』収録『メシアの厄日』のあらすじ)

『メシアの凶日』

モサ男に抱かれてイッてしまったことに屈辱を感じ続ける日々を送るメシア。
友人に愚痴をこぼしているところに現れたモサ男から逃げようと、
駆け込んだトイレの中で素股をされてしまいます。
素股されて反応しちゃってるメシアが可愛いのなんの~~!!
モサ男がイったらトイレにほったらかしにされて一人で慰めるのですが、
お尻が疼いちゃって仕方がないメシア。
「……欲し…、くそ…、むかつく…っ」
とても可愛い。
イッたらまた苛立ちが込み上げてきて友達の元へ戻ろうとするのですが、外でメシアが出てくるのを待ってたモサ男にイク時の声聞かれてしまい、またしても屈辱を味あわされるのでした。
モサ男の焦らしプレイがお上手で萌え!!

『メシアの選択』

いつものバーで飲んでいると友人とモサ男が話していて、実は友人がモサ男に自分をレイプするように頼んだ、という話を聞いてしまいます。
ショックで逃げ出すものの、モサ男に捕まってしまうメシア。
「むちゃくちゃしてくるやつだと思ってたけど、
ちょっかいだしてくるってことは俺のこと気に入ってるのかと思っちゃって、
少しでもそんな気になっちゃって、ばかみてぇだ」

そう泣きながら訴えますが、
友人に裏切られたことより、モサ男が自分に手を出してきたことが依頼だったということにショックを受けているのかと指摘されて、自覚させられます。
素直になれないメシアですが
「そのつもりだったけどヤッてる間に欲しくなっちゃって、我慢したけど無理だった」
というモサ男の告白に絆されてしまいます。
からの駅弁(青姦) !!
メシアがわりと小柄なので軽々と持ち上げられちゃってます。
二回目なのに挿入されただけでイっちゃって、感じちゃって、萌え……!
キスして揺さぶられてトロトロになりながらも弱々しく
「おまえなんかきらいだ、きらいだ」
と、説得力のない悪態をつくところがとっても可愛いです。
モサ男が愛しそうに言葉責めしているところも興奮。

『宇宙のもずく』『宇宙のもずく!』

 鬼畜助手 + 美少年爺 

近未来SFギャグエロです。
アダルトグッズを開発し一攫千金を得ようとする博士とその助手。
博士の見た目は儚げな美少年なのに80歳、老眼、総入れ歯、喋り方が「~じゃよ」「わし」「おぬし」等の口調で所謂ショタじじいと呼ばれるものですな。
助手は博士の命令に従わないクール(聡明そうに見えるが実際は別にそうでもない)な美形で、助手の立場でありながら博士に対して威圧的。
そして鬼畜。ちょっとアホ。
3話とも助手が博士をいたぶる描写はありますが、
挿入はなしなのでカップリングは+にしておきました。

『宇宙のもずく』:触手

秘密裏に手に入れた触手の生態を調べ繁殖させようと助手に触手を体験させようとするが、
助手によって博士自らの身体で触手を体験することに。
催淫作用のある粘膜を全身に浴びながらの
乳首責め+亀頭責め+尿道責め+前立腺責めの四点責め!
とにかく触手の仕組みがえぐい。
特に乳首攻めのための触手と性器を刺激する触手の形状がえぐい。
助手が逐一具体的に説明してくれます。
触手に蹂躙される博士の表情がぐちゃぐちゃでエロ……!汁でドロドロ……!
散々な目に合された助手に報復するために痺れ薬を注入するも、
最終的には二人一緒に触手にアッー!!

『宇宙のもずく!』:全自動搾精機

博士が栽培したセルフフェラのために性器が取れるようになるきのこを食べてしまった助手。
グロは一切なくポロリと取れちゃっています。
ちなみに断面をくっつければすぐに元通りになるそうで安心。
しかし博士は前回の触手の仕返しをしようと、助手の性器を全自動搾精機にぶちこんで一時間のタイマーを掛けます(一時間は絶対に止められない)。
全自動搾精機は牛の乳搾りを参考にした、
一点集中一定の間隔で延々と精液を搾り取ってくるマシーン。
サラリとした美形の助手が悶えてる姿はエロス!
そんな中助手は渾身の力を振り絞って博士にきのこを食べさせ博士の性器を尿道プラグ付きの全自動搾精機にぶち込みます。タイマーは明日の朝まで!

「ワシ死ぬ!!!!」

仲良し。笑

『変愛 不毛変』

 振り回され系ドS × 変態系お兄さん 

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL漫画感想へ
にほんブログ村

ポチっと押して頂ければ嬉しいです。

『スニーキーレッド』どん底からスタートするドSヤンキーとドM平凡のボコり愛ラブ!

あらすじ

 ドSヤンキー × ドM平凡 

「とんだ変態野郎じゃん」

平凡なフリーター・三崎(みさき)はタチの悪いヤンキー・釧路(くしろ)に執拗に狙われる日々を送っていた。
会えば顔が腫れるまで殴られ、ウンザリするばかり。
しかしその一方で、三崎の体は興奮に震えるようになっていく。
そんな三崎の変化に気づいた釧路は、彼を暴力的に犯し――?

スニーキーレッド

スニーキーレッド

スニーキーレッド

[著]たなと

レビュー

表紙でずっと気になってた作品。
絵に惹かれたのですが、正直表紙の雰囲気と内容に若干の抵抗がありました。
強い子をいじめるのは大好きなのですが、弱い子をいじめる嗜好はあまりないので。
いじめるというのも強い子が勝ち目のない相手に殴られても犯されても殺さんとばかりに睨みつけてくる威勢のよさに興奮します。
でもこの表紙の子はとっても怯えてるじゃないですか……。
あらすじを読んでも理不尽に一方的に殴られて犯されてそうじゃないですか……。
なのになぜでしょう、惹かれてしまいました。
(ちなみにヤンキーが受けなら最高だと思っていました。)

結果、食わず嫌いせずに手に取ってよかったです。
理不尽に殴られてはいますが、主人公自身気持ちが弱い子ではなくどちらかと言えば言いたいことはハッキリ言うタイプ。ごく普通の子です。
しかし諦め気味なのか殴られても抵抗という抵抗はしない。
殴られてもそんなに怯えてはいない。
あらすじでは「執拗に狙われる日々を送っていた」と書いていますが、あえて逃げずに受け入れているというか。
童顔な絵柄ですが意外にガタイもよくて二十歳越えています。
自己判断できる歳ですよね。
今なら分かります。
あの表紙の表情は怯えているのではなく興奮しているのだと……!

なるほどドM。

ストーリー ★★★★☆
エロ度 ★★★☆☆
ボコり度 ★★★★☆
作画 ★★★★☆
いろんな愛の形度 ★★★★★



主要人物

三崎隼斗(受け)

二十代。平凡なフリーター。
目つきが悪く、絡まれやすい。どちらかと言えば明るい性格。
釧路に殴られることで無意識に興奮を覚えるようになる。

釧路春政(攻め)

十代。三崎の家の近所のヤンキー大学生。頭がいい。
腹が立ったらすぐ殴る。殴りたいから殴る。それを悪いとも思っていない。

ストーリー

殴られて興奮して、それに気づいた釧路に犯されて、可哀想なはずなのに可哀想じゃないと思ってしまうのはやっぱり三崎が喜んでいるのが伝わるからでした……。
普通はヤンキーに目をつけられて見つかり次第殴られてたら怖くてびびってしまでしょうし、何より家に押しかけられて脅されて犯されるなんて恐怖以外の何ものでもないでしょう?
でも三崎はすんなり受け入れるのですよ。
「言いなりになってりゃそのうち飽きるだろう」と。
そして暴力がセックスに変わり、距離が縮まっていき、下の名前読んでキスなんてしちゃったりして……!
釧路の方が先に三崎にのことを意識し出しています。

ある時釧路が傷害で大学を停学になります。
なぜ殴るのかと三崎が聞けば、
「殴りたいから殴る以外に何もねぇよ」
その言葉に改めて失望した三崎でしたが、実際は嫉妬だったみたいで!?
そう自覚した矢先に、三崎は近所のヤンキーに絡まれ、殴られてしまいます。
釧路が偶然通りかかり一緒に逃げ切りますが、三崎がドMだからわざと殴られたのかと聞く釧路。

釧路「なぁ、わざとか?(中略)簡単に殴られてんなよ」

三崎「………なら…おまえだって誰彼構わずボコしてんなよ…」

オイオイオイ

「俺だけにしろって言ってんだよ!!!」

もう君らお似合いだよ!!!!!!

まとめ

可愛い顔にしっかりしているガタイ、興奮を煽る豊かな表情、リアルな日常感溢れる表現、おしゃれで独特でとても好きな作画です。
ストーリーに大きな展開はないのですが、ゆったり進んでいるようで二人の関係の明確な変化が伝わりました。
あれだけボコボコ殴ってたのに好きになったらなんか甘い……可愛い……ハッ、絆されている……!
番外編ではもう三崎を殴る気はないようですが、三崎が期待を孕んだ視線で見てくると言っています(無自覚らしい)。
でも酷い言葉投げたり強引に抱いている釧路もかなりイキイキしてるんですよね。
お互いだからやっていけるのでしょう。

ツッコミどころはたくさんありましたがクセになる面白さでした。
2巻も買ったので読みます。

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL漫画感想へ
にほんブログ村

ポチっと押して頂ければ嬉しいです。

『きっと恋に違いない』まさか同期の男が自分を好き――?

あらすじ

 30代リーマン課長同期同士 

なぜ、こんなにも月曜日が待ち遠しい?

偶然のぞいた同期の牧野のパソコンに大量に保存されていた自分の写真。
そういえば出張土産を俺だけにくれた。
もしかして俺のこと好きなのか?
佐々木の戸惑いの日々が始まった――。
迷走気味な恋の行方を描く表題作シリーズ2本の他。
ゲイビデオに出演するはめになったエリート官僚の隠された欲望を描く
「おまえのいちばんイイ顔を」収録。

レビュー

以前別の作品の記事でおすすめした西田東さん、作家買いしている方のおひとりです。
画力が高いとは言えませんが、絵で食わず嫌いしているリーマン好きのお姉さま方はぜひとも読むべき……!
福本○行や西森○之も中毒性の高い絵柄(個人的な嗜好)をしているように、不思議と徐々に西田東さんもこの絵柄だからいい!という気持ちになってきます。
人気も高いので、私と同じ考えの方も多いのではないでしょうか。
漫画はギャグ、シリアス、殺伐、ピュア、などさまざまな作品を描き分けますが、共通しているのはテンポのよさと何気ない小さなコマの会話でも面白いところ。
主に大人の男性同士のお話が中心で、そんな大の大人でもお茶目さやふとした可愛さが見えたりと、登場人物の魅力が引き立ちます。

作品の傾向はサラリーマンのお話が多く、この作品も課長同士のお話です。と、言ってもお仕事バリバリキャリア系ではなく、どちらかと言えば平凡な毎日の中で繰り出すホモ……
えっ! あの一課の課長と二課の課長が!?
みたいな感じです。
残業だってするし出張だって行くし商談だってするしやきとり屋に飲みにだって行くし適齢期なのにいいなと思った女性には軽く振られるし若い女性社員には男とみられてないし……。
そんなどこにでもいそうな30代男性の恋!! ピュアです。

発行が白泉社だからでしょうか、エロは少なめ。

ストーリー ★★★★☆
作画 ★★★☆☆
エロ度 ★☆☆☆☆
面白度 ★★★★☆
いじらしいピュアな大人の男度 ★★★★★



「それはまるで恋のような」「きっと恋に違いない」

独身男性が年甲斐もなくドキドキしたりドタバタしたりと楽しかったです♡
牧野(表紙左)のパソコンを触っていると自分の写真フォルダを見つけてしまった佐々木(右)の混乱と疑心暗鬼のターンがとにかく長い。
長いのですが、テンポがいいのでとても楽しくて可愛くて。笑
佐々木が牧野のことを意識してしまう過程も楽しめました。

そして二人が付き合っている2話、天体観測のシーンは反則だ!!
今まで男同士だとか、本当に相手は自分のことが好きなのかだとか、元の関係に戻った方がいいのではないかだとか、ぐるぐるドタバタしてたのに、相手を見ながら「ああ、自分はこいつのことが好きなんだな」と思ってる表情と、夜空を見ながらしっとりと切なくキスするのが堪らなかったです。

受け攻めどちらがどうとはっきり分かりませんが、最後に少しだけあった今後起こり得るかもしれないエロシーンを見る限り牧野が受けのようで?
でも1話では逆の雰囲気みたいだし……お好みでどうぞ!笑

「おまえの一番イイ顔を」

 AV男優 × エリート官僚 

社会からはみ出しているワイルド系の攻めとエリートで潔癖そうな受け。真逆の二人です。
省庁で働く柏木の元へ、連帯保証人として友達の借金を肩代わりしなければならなくなった妹がAVに出演するという電話が。
急いで現場へ行ってとりあえずの所持金を叩きつけ止めさせようとするが、その場にいたAV男優の河瀬に、代わりにお兄さんが出演してくれるなら妹の件も借金の件もチャラにするという話を持ち掛けられ身代わりになることを決意する。
手コキのみで開放してもらったが、後日柏木の元へ河瀬が「あんなビデオに出演したなんてバレたらクビ飛んじゃう?」と半ば脅しのように身体を要求してきて……。

「あとがき」

西田東さんのコミックスの名物がこのあとがき。
主に漫画や絵について書いているのですが独特のテンションがクセになります。

やっぱりこれを読んで欲しい



 ピアニストになれなかった実家のケーキ屋見習い(平凡でやわらかい雰囲気のお茶目系)
 ×
 893幹部(頭のネジぶっとんでる天然強面系)

一番好きな作品です。
先にレビューを書こうと思ったのですが、長くなりそうでまとまりきらないのが目に見えてるのでとりあえず読んで欲しい。切実に。

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL漫画感想へ
にほんブログ村

ポチっと押して頂ければ嬉しいです。

『Call me,Call.』大切にされたい、必要とされたい、愛されたいと願う心に。

あらすじ

 デリヘルスカウトマン×ノンケ就活生(リバ)

変われない…ずっと…あの…16の夜のまま――……

ゲイ向けデリヘル「コール・ミー」のやり手スカウトマン・巣我は、
就職浪人中の生真面目で善良そうな陸に声をかける。
誰かに必要とされたいと願う陸につけこむように始まった関係は、
時と共にささくれた巣我の心を優しく撫でるようになるが、
やがて巣我の忘れたい過去を呼び起こし―。

レビュー

以前私のBL史に名を刻んだ『コオリオニ』の梶本レイカさんのお話です。
レビューに入る前にひとつ吉報が!
2016年10月8日付のご本人ブログにて活動再開のお知らせがありました~~!!めでたい!!
これからも新しい作品を読むことができるのはとても嬉しいです!
今後一層のご活躍を楽しみにしております。
(ブログの日付が20016年になっていたので、嘘じゃないよね……?と不安になりました。笑)

Call me,Call.』は「恋愛はしない」と公言しているゲイ向けデリヘルのスカウトマン巣我と、巣我が目を付けた再就職活動中のガソリンスタンド店員・のお話。
巣我と陸、それぞれが抱えている傷や弱さを舐め合うのではなく、自分と向き合い、お互いを癒していける強さが魅力でした。
舐め合うのもそれはそれで好きなんですけど、今回はわりと前向き……?(あくまでも『コオリオニ』と比べて)なお話なので!
ストーリーはシリアスで、ヘビーな過去もセットです。アンハッピーセット。
萌えあり、涙あり、カバー下に笑いあり、読み応えもバッチリで、あまり陰鬱とせずにただただ幸せを祈りながら読んだ一冊でした。

カップリングは巣我×陸固定だと思いきやリバで、知らずに読んでびっくり!
とてもよかった……!可愛かったし、愛を感じました。

そしてまたしても舞台は北海道です。ススキノ!
以前も言いましたがやはり北海道には独特の雰囲気を感じます。
地方が舞台のお話にはこの世にいる人それぞれにドラマがあると思わせてくれて私は好きです。

ストーリー ★★★★☆
エロ度 ★★★☆☆
ヘビーな過去度 ★★★★☆
みんな幸せになって欲しい度 ★★★★★
読了後の幸福度 ★★★★★



主要人物

巣我 博

ゲイ向けデリヘルのスカウトマン。恋愛はしない主義。
誰に言い寄られても「インポだから」と嘘をついて交わし、のらりくらりと生きている。

荻野 陸

勤めていた会社をクビになり、再就職先を探しながらガソリンスタンドでアルバイトをしていた23歳。
素朴で素直。スタンドの常連だった巣我にのせられてデリヘルで働くことに。
巣我に優しい言葉をかけられ、必要とされることに喜びを感じて巣我のためにどんなに苦しいことも耐えようとする。ちょっと心配になるくらい健気。

結末

サブキャラが可愛い

巣我が働くデリヘルの店長、マコちゃん(元カノ)、リカ(デリヘル嬢)がとても可愛い!
特に店長のオカマキャラが物語を終始和ませてくれます。みんな幸せになれてよかった……。
描き下ろしではちょっぴり未練があるらしいマコちゃんの勘違いがぶっとんでて笑いました。笑

私事ですが

ブログ村に登録してみました!
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL漫画感想へ
にほんブログ村

ポチっと押して頂ければ嬉しいです。

『マザーズ スピリット』超美形のネイティブ男子が魅せるハイパーワイルドLOVE!!

あらすじ

 未開の民族×大学職員 

今日も逞しい腕の中で朝を迎えました――。

理事長に留学生の世話を命じられた大学職員・稜一郎(りょういちろう)。
なんと留学生・カルタカは、言葉も通じない未開の地に住むネイティブ!!
一族の戦士で超美貌の持ち主だが、スマホやテレビ、果ては水洗トイレを恐れる彼に稜一郎はうんざり……。
だが、つたない言葉で「リョウイチロー」と呼ばれ懐かれるうちに、次第に心が傾いて!?

レビュー

前回の『ドラッグレス・セックス』が面白かったのですぐに積んでた本を崩しました。
少し前に結構話題になっていてよく取り上げられていたような。
まず表紙のインパクトがすごいですよね。

ガチ民族! 雄々しい肉体! 濃い顔!

BL作品には様々な国の攻めの方がいらっしゃいますが、未開の地の民族攻めの方には中々お目にかかれることがない!
しかもこの作品は受けが現地に行くわけではなく、攻めが留学で来日し、日本を舞台にストーリーが進んでいくので文明との違和感が半端ないです。笑
さらに言葉も通じません。攻めは母国語(読解不可能)で話してくるので何を言っているのか読者もとんちんかんです。
少々不安に感じながらも、稜一郎(受け)と一緒にカルタカ(攻め)の魅力に取りつかれていきました……。
スマホやテレビ、ウォシュレットといった文明の利器を知らないので、色んなものに驚いているところや、感情を直球で伝えてくるところはとても可愛いのに、包み込むような大らかさと全力で守ってくれそうな力強さがあります。
なんと言っても戦士ですからね。少し強引なところもキュンときます。
あと顔がお美しい。線が細い美しさではなく、美丈夫と言うのがピッタリかもしれない。
強面ですが、笑った顔はとても優しくて可愛いです。

稜一郎もカルタカも穏やかな性格なので、安心して読み進めることができたのと、常識人の稜一郎が世間知らずのカルタカや周りの人たちにツッコミを入れたりするところも面白かったです。
ギャグ要素も多いですが、期間限定の関係というのは切なく、濃厚なエロシーンもあり、非常に楽しめました。

ストーリー ★★★★★
エロ度 ★★★★☆
面白度 ★★★★☆
切な度 ★★★★☆
意外性 ★★★★★



キャラクター

筒月稜一郎[受け]

27歳独身。ごく普通の大学職員(教務課事務) 。
穏やかで気が利く性格から、理事長に留学生であるカルタカの世話を押し付けられる。
責任感が強くはっきりものを言う一面も。

カルタカ[攻め]

年齢不詳(おそらく16~20歳)。雄々しく美形。
未開の地に住むルター族の次期首長と期待されている。
来日当初は英語も日本語も話せないが知能指数が高いため順調に習得していく。
大らかだが少し強引なところもある。

アクナム

カルタカを追いかけて日本に来たルター族。
カルタカの嫁探しに積極的で稜一郎の存在を邪魔に思っている。

エロ度

ページ数は少ないですが作画も非常にクオリティが高いのでかなり濃厚でえろい! 汁成分も多くて好みです。
そしてカルタカが国に帰る前に一度だけ……のセックスが切なくて切なくて。
しかも多分童貞で性の知識が乏しいカルタカに対して「君は何もしなくていい」と、稜一郎が自分でお尻をほぐしてるところも健気で萌え! 自分も触りたいと稜一郎に対して惜しみなく愛を注ぐカルタカがかっこいい……!
物語中、稜一郎に対してひたすら優しいカルタカでしたが、最後の最後に稜一郎のうなじに噛み付く野性的な一面にも興奮しました。
稜一郎は普段は奥手だろうに、恥を忍んでキスの時に自分から舌を入れてみたり、誘ったり、カルタカが本当に何も分かってないことに耐えかねて自分から行動を起こすところがとってもいじらしくて可愛かったです!!
描き下ろしで稜一郎が「後ろからばかりじゃなくてたまには別の体位もしたい」と打ち明ける時の会話で、

未開の地の民族の方ってセックスが娯楽や愛の営みではなく種を残すことが第一なんですよね、本能を感じて萌えます。

最後に

BLCDが発売しているようで!
稜一郎が野島裕史さん、カルタカが日野聡さん、アクナムが吉野裕行さん。
個人的に神キャスティングなのでCDも気になります。
あとアクナムのスピンオフはありませんか。

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL漫画感想へ
にほんブログ村

ポチっと押して頂ければ嬉しいです。

『ドラッグレス・セックス』その症状は相手に対する好意の強さに比例する。

あらすじ

 オムニバス 

貞操には十分ご注意ください。

罹患すると性別を問わず患者自身に好意を持つ者に対して性的興奮を誘発させる、
原因不明のアレルギー「フェロモン症」。
その症状は相手に対する好意の強さに比例する。

オフィスデリの店員の性的視線に怯える堅物サラリーマン、
「フェロモン症」を利用し女とヤリまくるヤリちん男子、
自ら「フェロモン症」の治験者となり特効薬を開発する研究者達など、
奇病が巻き起こす激情とエロス(&ラブ?)をコミカルに描いたハイテンション・オムニバス!!

レビュー

とりあえずエロいのが読みたくて手に取った作品。

前述したとおり、[フェロモン症]とは
罹患すると性別を問わず患者自身に好意を持つ者に対して性的興奮を誘発させる、近年増加中の新たな国民病。
自分に好意を持ってる相手を自分の意志関係なく誘っちゃうということですね。
オメガバースの発情期みたいなものかと思ったら罹患者はムラムラしてるわけではないみたい。
つまりいつも通り通勤してたら痴漢されて「おまえが誘ったんだ」みたいな状況になってしまうのでしょう。
とんでもない病気だ。

疑問なのがフェロモンに反応したら抱きたくなるのか抱かれたくなるのかというところですね。

表題作はお弁当屋さん×インテリ、オタク×ヤリちん、科学者×助手(リバ)の3組のカップリング。
とにかくエロいらしいということで期待を胸にいざ。

ストーリー ★★★★☆
作画 ★★★★★
エロ度 ★★★★★
体液度 ★★★★☆
満足度 ★★★★★
じわじわ笑う度 ★★★★☆



『ドラッグレス・セックス』

杉野と桧木

 弁当屋×リーマン 

誰にも好かれることのない自分が「フェロモン症」に発症しても何ら問題ない。
ただ一人を覗いては。
「フェロモン症」 に罹患してしまったサラリーマンの桧木さんは、オフィスデリの青年・杉野から向けられる好意に戸惑い、警戒しています。
杉野の視線から逃れるためにトイレに逃げ込むと杉野が追いかけてきて、そこで桧木さんは杉野に指摘されて自分が勃起していることに気付き手コキされてしまいますが、実は杉野も「フェロモン症」に罹患していて、桧木さんに対して自分のフェロモンで反応させちゃったからという義務感で触ってあげたのだと言う。
杉野に好かれていたと思っていたのに実は勘違いで、そのショックからいつの間にか杉野のことを好きになってしまっていたのだと、失恋と恋の自覚を同時にして思わず泣いてしまう桧木さん。
自分に向けられる杉野のあの笑顔に理由なんてなかったのだと。
ここ、切なくてキュンとしました。
杉野もキュンときたみたいで桧木さんのフェロモンに反応。
反応してしまったのは「つまりそーいうワケだから」。

第2話ですが両想いになってからの杉野甘ーーーーい!!
両想いなんですけど、杉野から好かれている自信がない桧木さんがセックスの時に自分ばっかり好きで抱かれておかしくなって苦しくて「ぼくも杉野くんに好かれたい」と泣きじゃくる姿は萌え以外の何物でもない!!
ちなみに抑制剤なしのセックスはすごいです。

描き下ろしは桧木さんが積極的で興奮しました。

辰見と戌井

 オタク×ヤリちん 

ヤリちんが痛い目に遭うお話。とっても可愛いです。好みのお話です。
女の子とヤリ目的にフェロモン抑制剤を飲まない辰見(受け)。
同じクラスだけどろくに話したこともないオタクの戌井(攻め)が自分のフェロモンに反応していると知り、興味本位で咥えさせるが……。
自分のフェロモンのせいで戌井が絶倫化してしまいヤリ殺されてしまいそうです。
苦しくて苦しくて「くすり(抑制剤)のましてぇ…」って言うところには大興奮!
これから女の子で満足できないくらいに身も心も愛されるといいよ!

無良と薬師寺

 科学者×助手、助手科×学者(リバ)

3組それぞれ可愛かったですが、やってくれましたなと思ったのがこれ。
「フェロモン症」を研究している二人のお話です。
はじめは研究室の先生(フェロモン症罹患者)が助手をフェロモン反応の研究として抱きます。
フェロモン反応者の精液のサンプルを摂取するために事務的にお尻を弄られて、上手にイけたらご褒美挿入。
迫られて「勘弁してください」と言いつつ先生のことが好きなので興奮を抑えられない助手が可愛いです。
次は先生が助手のことを意識しはじめ、助手のフェロモン(いつの間にか助手も発症)に反応してしまい……!
さっきまで助手にオラオラ迫ってた先生が今度はトロトロに♡
抱かれながら先生が仮説を立て始めたのは面白かったです。笑

『駄目な男』

 カフェ店員(ゲイ)×離婚寸前のリーマン(ノンケ)

『好きにしたいよ』

 ワイルド系×変態ストーカーお兄さん 

幼馴染で年下攻めと攻めを溺愛しすぎてストーカー化しているお兄さん受けのお話。
生まれた瞬間から真澄(攻め)に恋した藤生(受け)、二人は同棲している恋人同士です。
子どもの頃の真澄の写真を引き伸ばして壁中に貼った部屋でセックスをして興奮している藤生。
藤生が自分の変態っぷり(自覚なし)を包み隠さず赤裸々に真澄にぶつけているのが面白くて可愛いです。
生まれ変わったら君の赤血球になりたい…!
1話は短めで、藤生の度を越した変態性と真澄が自分を溺愛しすぎる藤生に引きつつなんだかんだで二人が愛し合ってるのが分かります。

2話は二人の馴れ初めと両家に勘当されるまでのお話。
高校生になって藤生の異常さに気付き、鬱陶しく思い邪険に扱いだした真澄はクラスの男子から
そいつ真澄に彼女が出来たらどうすんの?」「刺されるんじゃねーの?
という言葉で藤生に嘘をつきます。
この時、藤生が駄々をこねるようならきっといつも通りに邪険に扱っていたかもしれないし、嘘をついたまま突き放していたかもしれないですが、藤生は
セックスはした?」「真澄の精子で作った子どもぼくにちょうだい
と言ってきます。自分じゃなくてもいいと言われたようなその言葉に逆上した真澄は
俺の代わりにして今度はそのガキにお前のその狂った愛やんのかよ」「殺してやる
首絞めからのセックス!!
首絞められても嬉しそうな藤生はさすがだし、夢にまで見たセックスはこれ以上にないくらい興奮しています。
真澄も藤生に自分だけを見ていて欲しいという執着が伝わり、言葉責めし(罵り)つつかなりがっついてて萌えます。
両家に二人の関係がバレて責められてしまうのですが、今までの藤生のストーカーっぷりから真澄がたぶらかされたような状況になっていて、黙らせるために真澄が二人のハメ撮りを再生。
藤生も絶句。
ひどいよ真澄ちゃん…!!ハメ撮りOKだったなら言ってよ!
そこかよ!(思わず真澄と一緒にツッコミ)
ご両親はひたすら不憫です……。笑

そして現在、昔のハメ撮りを見返して愛を確かめ合う二人(バカップル)でした。

満足度

期待通りどのお話も濃厚でお腹いっぱいです。
筋肉のしっかりした肉感的な男たちが狂ったようによがり感じてる様は眼福。
涙鼻水涎アヘ顔も自重しません。最高です。
攻めも興奮して必死に抱いてる感じが伝わってきてとってもよかったです。
更にストーリーも面白くて大満足の内容でした。

作者さんの作風なのか、受けがしっかりしているようで天然な子が多くて所々で笑ってしまいました。
シリアスな雰囲気の中でギャグ要素があるお話しはとても好みです。
実は「マザーズ スピリット」も買ったまま積んでいるので早く読まねば。

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL漫画感想へ
にほんブログ村

ポチっと押して頂ければ嬉しいです。