あらすじ
かわいい系サラリーマン(Ω)× ハイスペック社長(α)
スーツを剝ぎ取って逞しい肉体にむしゃぶりつきたい!
――平凡なサラリーマン・横道が抱きたい相手は、“一流の男”。
しかし人並みな自分に抱かれてくれるハイグレードな男はなかなかいない。
眉目秀麗、頭脳明晰、家柄の良い高スペックの男性を喘がせたい!
しかし普通の代名詞のような自分に抱かれてくれるハイグレードな男はなかなかいなかった。
悶々とした想いを抱えたある日、横道は暴れ牛に襲われる。
危機一髪で、彼を救ってくれた男こそが運命の相手だった。
“ 紫の牛の人”…烏丸厚。
絶大な地位と権力を持ちあわせ、世間からズレた思考を持つ若き社長・烏丸。
彼に一目惚れした横道は、今度こそ恋を成就させようと奮闘するが……!?
レビュー
スパダリ受け、いいですよね。
気持ちのいいほどギャグ漫画で笑いながら読みました。笑
ひたすらテンション高いです。
更にオメガバース。設定モリモリです。
Ωでありながらバリタチのサラリーマン・横道は、
恋人といい感じの雰囲気になるも、自分がバリタチということが分かるといつも振られてばかり。
いつものように友人の田中(β)に愚痴を聞いてもらっていたら、 突然闘牛に襲われてしまう。
危機一髪、華麗に助けてくれるのが、横道が務める会社の社長でαの烏丸さん。
何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった……。(突然のポル)
そんな感じです。常にボケとツッコミの応酬。
カップリングが逆なら王道一直線なんですが、
マリクと呼ばれる、アラブ人にさらわれた横道を助けに来たり、
初夜にお姫様だっこをしたり、大体攻めがやることを受けがやります。
ちなみに帯に「スーパー攻め様が受ける!!」と書いてありましたが、
ハーレクインや水上〇イ作品に出てきそうなエレガントな攻め様です(受けですが)。
家柄ルックス問題なし。高収入・高学歴・高身長。
アメッ〇スセン〇ュリオンカード出しちゃうし、リードしてくれるし、
ワインなんか飲んで風呂上がりを待っててくれるし、危険な時は助けてくれるんですが、
スーパー攻め様特有の力強さや強引さはなく、世間知らずで天然で可愛い部分があるので、
THE・スーパー攻め様!!な受けを求めている方はちょっと拍子抜けかも。
ハイスペックには間違いないですが、スーパー攻め様かと言われたら個人的にうーん?でした。
物足りなさを感じたので、もう少しオラオラした強引さを出してくれたら嬉しかったかも。
しかしスーパー攻め様の定義なんて人それぞれなので、是非見極めて欲しいと思います。
ストーリー | ★★★☆☆ |
エロ度 | ★★★★☆ |
作画 | ★★★☆☆ |
ギャグ | ★★★★☆ |
意外性 | ★★★★☆ |
オメガバース
オメガバースとは、Ω、α、βで構成される、欧米で発祥したBLにおける特殊設定。
Ω(オメガ)
数はα性よりも少なく、しばしば絶滅危惧種として扱われることもある。
定期的に発情期が起きる。
発情期ならば男女問わず妊娠が可能。
α(アルファ)
生まれつきのエリート・ボス気質。
カリスマ性やリーダースキルを持ち、社会的地位が高い者に多く、全てにおいて優遇される。
数は少ない。
β(ベータ)
ごく普通の人間。
人口比率的にも最も多く、β同士で結婚するのが一般的。
*********
なお、詳しいオバガバースについての説明は巻頭4ページでもガッツリ使って解説してくれています。
ある程度の大体の知識がある方は読まなくてもストーリーに支障はありません。
ふわっと分かっていたら大丈夫です。
オメガバースについて知らない人は、今後のために知識のひとつとして読んでみたら楽しいかも。
ちなみに私はヒート時の射精の際に性器の根元が膨らむ仕組みを初めて知りました。
主要人物
横道勇(攻め)「僕はバリタチだ! お清めセックスは僕がする!」
ごくごく平凡なサラリーマンのΩ。
かわいい顔に反してバリタチ。
恋人といい感じになるもバリタチということが分かると振られてばかり。
烏丸厚(受け)「俺が本当のセックスを味わわせてやる」
横道が務める会社の社長のα。
海外生活が長く日本のことをよく知らない。
ハイスペック三高。
田中一郎(攻め)「出世のためなら友情などクソだ」
横道の幼馴染で同僚のβ。
金のためならなんでもする守銭奴。
マリク(受け)「はたして貴様がキズモノになっても変わらずに接してもらえるか」
アラブの石油王のα。
烏丸の幼馴染でツンデレ。
烏丸の恋人である横道を拉致する。
番外編
守銭奴サラリーマン(β)× アラブの石油王(α)
田中強い! 田中は一度横道と烏丸の邪魔をしてくるマリクに買収されますが、
逆に横道と烏丸が買収し返すとマリクをキスとビンタで腰砕けにしてお持ち帰り。
田中に調教されたマリクは田中を第一夫人に迎えようとしますが、
田中はお金自体ではなく稼ぐ過程が好きなのだと突っぱねます。
今後どうなるか、二人のスピンオフに期待。
最後に
各所で言われてるみたいですが、確かにオメガバースである必要性はなかった。笑
二人が今後結婚するなら家柄とか跡取り問題からの、
玉の輿に乗った横道が嫁の立場で嫁姑問題に立ち向かうギャグとか読んでみたい。
ポチっと押して頂ければ嬉しいです。
『ネガ』ダウナー系抉り愛を詰め込んだネガティブ
あらすじ
オムニバス
ふたりとも、傷つけて ひとりで、手に入れた
オレたち3人はいつも一緒にいた。
卒業式の日、オレがアイツの想いを拒否するまでは。
だけどアイツらはオレの知らないところで――。
幼馴染同士のヒリつく三角関係を描いた「後悔の海」「スイメンカ」をはじめ、
光る金属に目を奪われてはじまる「ピアスホール」、
ニューエイジな感覚で描かれる「リスタート」、
女子視点からのBLを描いた「わたしたちはバイプレーヤー」など
“ネガ”な作品を一冊に集約した、はらだ節がはじける短編集。
もしもあのときこうしていれば――?
切なさと、後悔と――。
「ネガ」の中で、あなたなりの幸せをみつけてみてください。
BL界を切り開くパイオニアはらだが描く明暗、
二冊同時刊行ネガティブもポジティブも、贅沢にどうぞ。
レビュー
はらださんの2冊刊行!2冊目『ネガ』です。
はらださんの作品の魅力は前回の『ポジ』参照。
『ポジ』と違って『ネガ』は後味悪め。
メリバとまではいきませんが、幸せと取るか不幸と取るかはあなた次第。
そんな作品ばかりです。
病み系かと思いきや救いようのないバッドはないので安心してください。
エロ度は前回同様高め。
しかし『ポジ』よりも『ネガ』の方が純愛だと思います。
作品としては締められていますが、二人がこれからどうなっていくのか、
最終的な結末を読者に委ねているのは面白いところ。
さまざまな愛のカタチを味わいたい方は『ネガ』をどうぞ!
ストーリー | ★★★★☆ |
エロ度 | ★★★★★ |
感情表現 | ★★★★☆ |
後味の悪さ | ★★★★☆ |
クセになる度 | ★★★★★ |
『後悔の海』『スイメンカ』
幼馴染の三角関係
『後悔の海』
中学校卒業式前日に男友達から「ホモとかキモイよな」と聞かれ、
卒業式後に別の男友達から告白された。
「ホモとかキモイ」と酷い言葉で振り、そのまま二人と疎遠になり数年後。
「ホモとかキモイよな」と聞いてきた友達と、
自分に告白してきた男友達がキスしているところを目撃する。
思春期だぁ……。
中学生というのは一番多感で人の目を気にしてしまうお年頃。
自分に告白してきた人が自分以外の誰かと付き合ってると知り、
突然独占欲が湧き上がって好きだと自覚する、
そんなエゴイスティックな感情は人間臭くて好きです。
告白された方もした方も、男同士という後ろめたさを感じるのはBLの醍醐味。
ノンケが男からの告白をすんなり受け入れられないのも仕方ないと思ってしまいます。
むしろ切なくていい。
そして人のものになってはじめて形振り構ってられなくなる! 萌え!
しかし後悔先に立たず……。
『スイメンカ』
『後悔の海』の「ホモとかキモイよな」と言った側のお話。
名前表記がないので分かりやすくAとします。
卒業式にCに告白したB、Bに告白されたC。3人は仲良し。
Bのことがずっと好きだったAは、ある日Bに「Cのことが好きだ、卒業式に告白する」と告げられる。
なんでや!!!なんでやァ!!!
女やったら、まだ、我慢したんに、
なんでよりによって、あいつねん!!!
なんで、俺じゃなくて、あいつねん!!!
俺の方が先に、好きになったんに!!!
二人が付き合うなんて、耐えられない。
そう思ったAはCに「ホモとかキモイよな」という言葉を投げてBを振るように仕向ける。
振られたBを慰め、自分じゃだめかと泣いて訴え、二人は付き合うことに。
二人の初えっちが初々しくてエロ……。
AがBを好きで好きで必死な様子とBの初心さが可愛くてキュンとします。
やっと手に入れられたと、AはBを抱きしめながらも後ろめたさを感じて「ごめん」と囁くのでした。
そして二人は大学生になって『後悔の海』に繋がります。
「あん時はごめん。俺も好きや。」
CがBに告白しているところを目撃してしまうA。
なんでやろ、実らせたはずなんに
もう怯えんくていいはずなんに
ふたりとも傷つけて
ひとりで手に入れた
なんでやろ
どっか
どっか
「むなしいなあ…」
うわあああ……。
みんなが主人公のようなので、誰かが幸せになり誰かが不幸になる道が辛い。
はじめにずるいことをしたAですが、Bのことを本当に好きな気持ちが伝わるので自業自得と言って責めることができない。
しかしAがCをけしかけなければBとCは付き合っていたかもしれない。
BはCにまだ未練がありそうなのが切ない……。
『ピアスホール』
マッサージ師 × サラリーマン
施術をしていた患者のサラリーマンに不似合いなボディピアスを見つける。
「他の穴も、見たいですか?」
誘われるがままに全身の5つのピアスを見せてもらい、
純粋に美しいと感じた彼・臼井さんと身体の関係を持ち、恋人同士になった二人。
穏やかで幸せな日々を過ごし、このまま順調に関係が進むと思いきや、
5つの穴はそれぞれ昔の恋人に空けられたものだと聞いたことで、
彼の身体の穴を綺麗だと思えなくなり……。
ピアスってエロいですよね。
しかも普段は洋服で見えないところに空けているというのがまたそそります。(同じくタトゥーも)
痛みとともに、自分の身体を飾りをつけるというは倒錯的な行為のように感じます。
お尻に咥えながら攻めの舌に穴を空ける行為が一番興奮しました。
確かに人に穴を空けられたら、その穴がある限りその人のことを忘れられなくなるかも。
だから上書きするために拡張するというのはものすごい独占欲ですね。
臼井さんが淫靡で、始めは攻めを翻弄してるのですが、
最終的に臼井さんの方が攻めから離れられなくなっています。
しかし臼井さん自身が、攻めが自分に執着するように仕向けたようにも見えます。
どっちにしろ、とても幸せそう。
『リスタート』
ダウナー × アッパー
『私たちはバイプレイヤー』
地味系いかつめ高校生 × 王子様系高校生
一時期話題になった『女子BL』に掲載されていた作品。ギャグです。
『女子BL』とは、
男同士がイチャイチャしている現場が見たい!
むしろ壁になりたいベッドになりたい空気になりたい!
二人が幸せになるために助太刀したい!
愛を深めるための当て馬になりたい!
そんな腐女子の願望を叶えた、女子目線のアンソロジーです。
はらださんのお話は、人格入れ替わりというありがちな設定。
しかしこんな使い古されたネタでもやはり面白い。
才色兼備の姫海さんは、隣の席の皇子山くんに恋している。
そんな中、クラスでも地味な男子脇川くんと人格が入れ替わってしまった!
脇川くん(身体は姫海さん)と一緒にいるところを皇子山くんに見られ、
誤解されたとショックを受けるが、
姫海さん(身体は脇川くん)は皇子山くんに睨まれたり、嫉妬むき出しの言葉を投げられる。
(どっちに嫉妬しているかはお察しの通りですが、ここで皇子山くんが姫海さん(身体は脇川くん)にキス顔を向けてくる(姫海さんは何がしたいのか分かっていない)のがとても可愛かった!笑)
「もしかして皇子山くん、私のこと好きなのかしら」
テンション上がっちゃう姫海さん。
ひょんなことから元の身体に戻るのですが、
その拍子に脇川君の素顔(普段は前髪で顔が見えない)を見てしまい、
ワイルドな容姿にときめいてしまう姫海さん。
そしてある日脇川くんと皇子山くんが離れた空き教室で言い争っているところを目撃。
「もしや私を取り合って喧嘩!?」
急いでその場に向かって止めに入ろうとドアを開けると……♡
好きになった二人が付き合ってました。
ホモに振られちゃう女の子を見て毎度思うことなのですが、
他にいい男見つけて幸せになって!!
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