あらすじ
30代リーマン課長同期同士
なぜ、こんなにも月曜日が待ち遠しい?
偶然のぞいた同期の牧野のパソコンに大量に保存されていた自分の写真。
そういえば出張土産を俺だけにくれた。
もしかして俺のこと好きなのか?
佐々木の戸惑いの日々が始まった――。
迷走気味な恋の行方を描く表題作シリーズ2本の他。
ゲイビデオに出演するはめになったエリート官僚の隠された欲望を描く
「おまえのいちばんイイ顔を」収録。
レビュー
以前別の作品の記事でおすすめした西田東さん、作家買いしている方のおひとりです。
画力が高いとは言えませんが、絵で食わず嫌いしているリーマン好きのお姉さま方はぜひとも読むべき……!
福本○行や西森○之も中毒性の高い絵柄(個人的な嗜好)をしているように、不思議と徐々に西田東さんもこの絵柄だからいい!という気持ちになってきます。
人気も高いので、私と同じ考えの方も多いのではないでしょうか。
漫画はギャグ、シリアス、殺伐、ピュア、などさまざまな作品を描き分けますが、共通しているのはテンポのよさと何気ない小さなコマの会話でも面白いところ。
主に大人の男性同士のお話が中心で、そんな大の大人でもお茶目さやふとした可愛さが見えたりと、登場人物の魅力が引き立ちます。
作品の傾向はサラリーマンのお話が多く、この作品も課長同士のお話です。と、言ってもお仕事バリバリキャリア系ではなく、どちらかと言えば平凡な毎日の中で繰り出すホモ……
えっ! あの一課の課長と二課の課長が!?
みたいな感じです。
残業だってするし出張だって行くし商談だってするしやきとり屋に飲みにだって行くし適齢期なのにいいなと思った女性には軽く振られるし若い女性社員には男とみられてないし……。
そんなどこにでもいそうな30代男性の恋!! ピュアです。
発行が白泉社だからでしょうか、エロは少なめ。
ストーリー | ★★★★☆ |
作画 | ★★★☆☆ |
エロ度 | ★☆☆☆☆ |
面白度 | ★★★★☆ |
いじらしいピュアな大人の男度 | ★★★★★ |
「それはまるで恋のような」「きっと恋に違いない」
独身男性が年甲斐もなくドキドキしたりドタバタしたりと楽しかったです♡
牧野(表紙左)のパソコンを触っていると自分の写真フォルダを見つけてしまった佐々木(右)の混乱と疑心暗鬼のターンがとにかく長い。
長いのですが、テンポがいいのでとても楽しくて可愛くて。笑
佐々木が牧野のことを意識してしまう過程も楽しめました。
そして二人が付き合っている2話、天体観測のシーンは反則だ!!
今まで男同士だとか、本当に相手は自分のことが好きなのかだとか、元の関係に戻った方がいいのではないかだとか、ぐるぐるドタバタしてたのに、相手を見ながら「ああ、自分はこいつのことが好きなんだな」と思ってる表情と、夜空を見ながらしっとりと切なくキスするのが堪らなかったです。
受け攻めどちらがどうとはっきり分かりませんが、最後に少しだけあった今後起こり得るかもしれないエロシーンを見る限り牧野が受けのようで?
でも1話では逆の雰囲気みたいだし……お好みでどうぞ!笑
「おまえの一番イイ顔を」
AV男優 × エリート官僚
社会からはみ出しているワイルド系の攻めとエリートで潔癖そうな受け。真逆の二人です。
省庁で働く柏木の元へ、連帯保証人として友達の借金を肩代わりしなければならなくなった妹がAVに出演するという電話が。
急いで現場へ行ってとりあえずの所持金を叩きつけ止めさせようとするが、その場にいたAV男優の河瀬に、代わりにお兄さんが出演してくれるなら妹の件も借金の件もチャラにするという話を持ち掛けられ身代わりになることを決意する。
手コキのみで開放してもらったが、後日柏木の元へ河瀬が「あんなビデオに出演したなんてバレたらクビ飛んじゃう?」と半ば脅しのように身体を要求してきて……。
「あとがき」
西田東さんのコミックスの名物がこのあとがき。
主に漫画や絵について書いているのですが独特のテンションがクセになります。
やっぱりこれを読んで欲しい
ピアニストになれなかった実家のケーキ屋見習い(平凡でやわらかい雰囲気のお茶目系)
×
893幹部(頭のネジぶっとんでる天然強面系)
一番好きな作品です。
先にレビューを書こうと思ったのですが、長くなりそうでまとまりきらないのが目に見えてるのでとりあえず読んで欲しい。切実に。
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『マザーズ スピリット』超美形のネイティブ男子が魅せるハイパーワイルドLOVE!!
あらすじ
未開の民族×大学職員
今日も逞しい腕の中で朝を迎えました――。
理事長に留学生の世話を命じられた大学職員・稜一郎(りょういちろう)。
なんと留学生・カルタカは、言葉も通じない未開の地に住むネイティブ!!
一族の戦士で超美貌の持ち主だが、スマホやテレビ、果ては水洗トイレを恐れる彼に稜一郎はうんざり……。
だが、つたない言葉で「リョウイチロー」と呼ばれ懐かれるうちに、次第に心が傾いて!?
レビュー
前回の『ドラッグレス・セックス』が面白かったのですぐに積んでた本を崩しました。
少し前に結構話題になっていてよく取り上げられていたような。
まず表紙のインパクトがすごいですよね。
ガチ民族! 雄々しい肉体! 濃い顔!
BL作品には様々な国の攻めの方がいらっしゃいますが、未開の地の民族攻めの方には中々お目にかかれることがない!
しかもこの作品は受けが現地に行くわけではなく、攻めが留学で来日し、日本を舞台にストーリーが進んでいくので文明との違和感が半端ないです。笑
さらに言葉も通じません。攻めは母国語(読解不可能)で話してくるので何を言っているのか読者もとんちんかんです。
少々不安に感じながらも、稜一郎(受け)と一緒にカルタカ(攻め)の魅力に取りつかれていきました……。
スマホやテレビ、ウォシュレットといった文明の利器を知らないので、色んなものに驚いているところや、感情を直球で伝えてくるところはとても可愛いのに、包み込むような大らかさと全力で守ってくれそうな力強さがあります。
なんと言っても戦士ですからね。少し強引なところもキュンときます。
あと顔がお美しい。線が細い美しさではなく、美丈夫と言うのがピッタリかもしれない。
強面ですが、笑った顔はとても優しくて可愛いです。
稜一郎もカルタカも穏やかな性格なので、安心して読み進めることができたのと、常識人の稜一郎が世間知らずのカルタカや周りの人たちにツッコミを入れたりするところも面白かったです。
ギャグ要素も多いですが、期間限定の関係というのは切なく、濃厚なエロシーンもあり、非常に楽しめました。
ストーリー | ★★★★★ |
エロ度 | ★★★★☆ |
面白度 | ★★★★☆ |
切な度 | ★★★★☆ |
意外性 | ★★★★★ |
キャラクター
筒月稜一郎[受け]
27歳独身。ごく普通の大学職員(教務課事務) 。
穏やかで気が利く性格から、理事長に留学生であるカルタカの世話を押し付けられる。
責任感が強くはっきりものを言う一面も。
カルタカ[攻め]
年齢不詳(おそらく16~20歳)。雄々しく美形。
未開の地に住むルター族の次期首長と期待されている。
来日当初は英語も日本語も話せないが知能指数が高いため順調に習得していく。
大らかだが少し強引なところもある。
アクナム
カルタカを追いかけて日本に来たルター族。
カルタカの嫁探しに積極的で稜一郎の存在を邪魔に思っている。
エロ度
ページ数は少ないですが作画も非常にクオリティが高いのでかなり濃厚でえろい! 汁成分も多くて好みです。
そしてカルタカが国に帰る前に一度だけ……のセックスが切なくて切なくて。
しかも多分童貞で性の知識が乏しいカルタカに対して「君は何もしなくていい」と、稜一郎が自分でお尻をほぐしてるところも健気で萌え! 自分も触りたいと稜一郎に対して惜しみなく愛を注ぐカルタカがかっこいい……!
物語中、稜一郎に対してひたすら優しいカルタカでしたが、最後の最後に稜一郎のうなじに噛み付く野性的な一面にも興奮しました。
稜一郎は普段は奥手だろうに、恥を忍んでキスの時に自分から舌を入れてみたり、誘ったり、カルタカが本当に何も分かってないことに耐えかねて自分から行動を起こすところがとってもいじらしくて可愛かったです!!
描き下ろしで稜一郎が「後ろからばかりじゃなくてたまには別の体位もしたい」と打ち明ける時の会話で、
未開の地の民族の方ってセックスが娯楽や愛の営みではなく種を残すことが第一なんですよね、本能を感じて萌えます。
最後に
BLCDが発売しているようで!
稜一郎が野島裕史さん、カルタカが日野聡さん、アクナムが吉野裕行さん。
個人的に神キャスティングなのでCDも気になります。
あとアクナムのスピンオフはありませんか。
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